峯岸利恵の雑記帳

峯岸利恵の好きな音楽にまつわるあれやこれやそれです

BIGMAMAと嘘と

2017年2月10日に恵比寿LIQUIDROOMにて行われたBIGMAMAの原点回帰的ライブ「THE  BIGINNING 2007.02.10」のラストに金井さんの口から「ささやかなお知らせ」として発表された、2017年10月15日、キャリア初の日本武道館公演。

 

正直言うと、発表内容にはさほど驚きはしなかった(事前に何かしらの発表を匂わせていたこともあり)。アニバーサリーイヤーだし、きっと武道館公演かメジャーデビューだろうなぁとは予想していたので「やっぱりか!」の方が大きかった。そして個人的にはその内容以上に、その発表の《仕方》に「アアア!」となっていた。

いや「ささやか」って…絶対早く言いたかったでしょうに…ライブ中も気が気じゃなかったんだろうなぁ…照れもあるのだろうけれど、歓喜の想いを押し殺して変にカッコつけちゃって…きっと一人になったらニヤッとしてるんだろうなぁ…素直に「聞いて!武道館だよ!やっとだよ!嬉しい!絶対来て!」と万歳すればいいのに…本当に、そういうところだよ…そうしちゃう気持ち、死ぬほど分かる……。

 

ここで少しばかり話が脱線します。

私がBIGMAMAを知ったのは約9年前、『Weekly Faily Tale』がリリースされる数ヶ月前で当時20歳、あまりに好きすぎて全ての悪事を許していた当時の彼氏が貸してくれた『Love and Leave』がきっかけだった。(後に「付き合うのは正直誰でも良かった」という理由で3ヶ月くらいで振られる) 当時は「拗らせている」や「メンヘラ」なんて言葉は浸透していなかったけれど、この時は完全にそれだった。というより、「聞き分けの良い自分」を演じるのに精一杯だった。「本当の自分が分からない」なんてよくある台詞だけれど、まさにそのドツボにはまっていたし、あの頃は「相手の為に私が我慢すればいいんだ」と自己犠牲を振りかざし、本音をひた隠しては自分にも相手にも嘘ばかりついていたんだなぁと今になれば思う。

 

 そしてその時期からよく聴いていたのが、BIGMAMAの「We have no doubt」だった。英詞も和訳もすぐに浮かぶし、ライナーノーツは穴が開くほど読んだ。《僕は嘘つきだから君の嘘は大体分かる》ではないけれど、だからこそ冒頭で触れた「ささやかなお知らせ」から読み取った心境を自分に容易く重ねてしまえたのかもしれない。

 

長く書いたけれど、とどのつまり、わたしの音楽人生の原点及び人格形成の片棒はBIGMAMAであり、金井政人が描くお伽話のような絵空事であり、「We have no doubt」であるということ。 人を悲しませる方にも人を喜ばせる方にも、どちらの「嘘」に対しても常に誠実なバンドだったからこそ、わたしはBIGMAMAの音楽に対していつも誠実でいることができた。売れる売れない、踊れる踊れない、流行る流行らない、器用不器用それら一切関係なく、その「嘘にも正直」という絶対的な信頼があったからこそ何年も変わらずに惹かれ続けているのだと思う。

 

待ちに待った武道館公演の中で、金井さんは「聴いてくれる人を全員幸せにすることはできないけれど、不幸を遠ざけることはできるかもしれない」と話していた。(約30分に渡るバンド解散前の独白にも似たMCの中から極々一部を抜粋) それは謙虚な訳でも逃げでもなく、BIGMAMAがこの10年で見出した「最も正確で、正直で、正しい、誰にも嘘をつかなくて済む距離」なのだろうなと思う。 そしてそれをMCやインタビューで話す「金井政人の言葉」ではなく「CRYSTAL CLEAR」という曲で「BIGMAMAの音楽」として新たに残してくれたことがたまらなく嬉しかった。

 

幸せにできる人間は一人しかいなくて、その一人を大切にするためには今から誠実でないといけない。もしかしたらその「今」でさえ、既に手遅れかもしれない。《それでも僕ら、約束をしようよ》--その約束を、節目になるあの場所ですることができて良かった。メンバーを着席させても言いたいことスマートにまとめることもできず、曲の入りもグダりながらも、そういうダメなところをひっくるめて、ああ、聴けて良かったなと思う。

 

念願の日本武道館公演にて、新たに「ささやかなお知らせ」として語られたメジャーデビュー。下北沢から青山に行こうとも古参ファンだと言われようとも、いつまでも親離れはしないつもりです。来年からのツアーが今から楽しみ。

 

 

2017.01.28 39degrees 「Reunite at that place TOUR 2016-2017 FINAL」@TSUTAYA O-WEST ライブレポート

 

 

私はO-WESTで観るメロディックバンドのライブが好きだ。

 

バンドの目標であり、どでかい通過点――このライブハウスにそんなイメージを持っているからか、ここで行われる節目のライブは自分にとって想い出深いものが多い。

そしてこの日もしっかりと胸に刻まれた、大好きなメロディックパンクバンド兼、自慢の高校の後輩の最高の晴れ舞台。

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「出会った頃はカッコいいと思えなくてさ、拳上げろって言われても上げようと思えるライブを観たことがなかった。でも段々「上げろ」って言われなくても自分の拳が自然と上がっていくのを感じて、ああ俺、39degreesをカッコいいと思っているなと確認できたんだよ」

 

「俺は、アイツらが島国根性丸出しで泥臭く拳上げろー!とか言ってるのが大好きで。そんなやつらが、本物の、嘘じゃないパッションでシーンに対してガツガツやってくれているのが本当に嬉しい」

 

--「失敗は成功の基」とはいえ、恥ずかしい思いはできるだけしないで手っ取り早くカッコ良くなりたいし、焦燥感や劣等感は抱きたくないと思うのはきっと正直なところだ。

けれど、憧れの先輩であるCOUNTRY YARDとNorthern19が贈ったそんな言葉に、曲げない信念を持てば見続けてくれる人は絶対に現れること、39degreesは必要な過程を一切端折らずにここまで来たんだということをひしと感じた。むしろショートカット無しの泥塗れの道でなければ、この夜には辿り着けなかったのだと思う。

そんな大先輩が渾身のライブで繋いでくれた、片手で受け取るなんて到底出来ない極太なバトンを受け取ってステージに現れた、ばんちゃん(Vo/Gt)、くりちゃん(Ba/Vo)、そしてばくくん(Dr)。

「やってきたことを、バカ正直にやりに来ました。THE NINTH APOLLO、東京都町田市、39degreesです。昔の話をしに来たつもりでも、未来の話をしに来たつもりでもありません。今を歌いに来ました」といつも通り堂々とした挨拶したくりちゃんと、ファイナルの舞台といういつもとは違う雰囲気に思わず深呼吸をしてしまいフロアを和ませるばんちゃん。その様子を見たくりちゃんが「おい、笑われてんぞ」と早口で突っ込むと、間髪なく“Reunion”のイントロを伸びやかに歌い出す。

「ただいま!全国のライブハウスを巡ってこの場所に帰ってきました!おいお前ら!心のスイッチ入れていこうぜ!」という叫ぶばんちゃんの姿に、彼が最初に感じた一抹の緊張感なんて一音鳴らした途端に吹き飛んでしまったんだなと安心したし、ペース配分なんて言葉は彼の中にはないのだろうなと思わせる程の勢いで叩かれるばくくんの強烈なドラミングには、激しく胸を打たれつつも安心させられた。

そんな39degreesの関係性を羨ましいなと思いながら、締めるところは締める人、抜くところは抜く人、言葉は発さずともどしっと支えてくれる人がいるというその絶妙なバランスが大舞台でもきちんと醸し出されていることにもまた安心した。

 

そんな3人が搔き鳴らした“At Peep Of The Day”で早々に崩壊したフロアは、オーディエンスの興奮が故の奇声と共に始まった“azalea”によって修復完全不可状態になった。ダイブモッシュの嵐で滅茶苦茶になっているにも関わらず、心の底から楽しそうな顔をしているオーディエンスしかいないその雰囲気を感じて、これがメロディックパンクの真髄だなとたまらなく嬉しくなった。好きな曲のイントロが鳴った瞬間に身体より先に本能が反応して無我夢中になる。その衝動で跳ねる心と身体がぶつかり合う光景を、怖いだとか危ないだなんて言えるわけがない。

 

そして扶養も外れてなければ免許もないというばんちゃんの独壇場(という名のMC)では、「ツアー中の最高に泣ける話」という名目の元、機材車が大破した挙句、泊まったホテルで風呂上がりのびしょ濡れの状態で部屋から締め出されるという話で相変わらず笑わせてくれた。話の運び方の上手さに抱腹したMCを「めちゃめちゃベタな話になってしまいますが、バンドを志した頃の自分に見せてあげたい光景ですし、感じてほしい一日になってる。感動している俺たちを見て感動してほしい」とまとめ、「熱い気持ちを呼び起こさせるのがメロディックパンクだと信じています、みんながもう少しだけでも拳を上げてくれたら完成する気がするんだ!」と‘‘Heartrending”へと全身全霊で突入した。

 

とはいえ、彼らは気付いているのだろうか。

「拳を上げろ!」と言われる前に、フロアの拳は上がっていることに。

「歌え!」と言われる前に、フロアのシンガロングは始まっていることに。

 

この絶景を作り上げたのは紛れもなく3人の軌跡であり、3人が鳴らす音、3人が紡ぐ言葉、3人が燃やし続ける数多の想いが聴く人の気持ちを動かした結果に他ならない。‘‘It’s my fault for believing you”‘‘Clues is your beside”の連続技にはいつだって胸が高鳴るし、‘‘Ery”や‘‘Freesia”が醸す切なさや哀愁にはいつだってときめかされる。

二階席から広く見渡せたその光景が、彼らがバンドとしてのひとつの到達点にこの日辿り着いたのだと確信させてくれた。

 

そんな最良の日を共に作り上げてくれた先輩への感謝を「この2バンドがいなかったらここまで来れなかったと本気で思います。一日で返せる恩ではないので、長く続けてゆっくり返していきたいと思います」と言葉にし、“Where there’s hope, there’s life”で本編を堂々と締め括った。

 

そしてバンド史上最多の61本のライブを経て完結したリリースツアーを振り返り、「これが終わりではなく始まりだから」と新たな一歩を踏み出す強い意志をアンコールの‘‘The Answer”と‘‘Not In My Lifetime”に託した39degreesを、鳴り止まない大喝采が見送った。

 

 

■セットリスト

01. Reunion

02. Clarification

03. At Peep Of The Day

04. The Birth.(Six Day Trip)

05. azalea

06. I’ll be right here

07. Heartrending

08. It’s my fault for believing you

09. Clues is your beside

10. Against Elegies

11. S.C.S

12. Ery

13. Freesia

14. Where there’s hope, there’s life

 

En

01. The Answer

02. Not In My Lifetime

 

2015.12.14 My Hair is Bad 「師走の虎」ライブレポート

 

My Hair is Bad のフルアルバム『woman's』、遂に明日リリースですわよ奥さん。

今日は店着日?ですって!

聞きました?いや、聴きました?

 

今作についてはまた別の機会に語るとして、

『woman's』初回限定盤に特典として付属されている、渋谷CLUB QUATTROで行われたワンマンライブ「師走の虎」のDVD。

これ、ヤバくないですか?(語彙力)

付属なんて言葉で扱うには頭が地面にのめり込む程申し訳なくなってくるクオリティな訳ですが、実はわたしも当時レポートを書かせて頂きました。

敏腕マネージャー・うーさんのご厚意でオフィシャルHPに載せて頂いていたのですが、諸事情で今は見られなくなっているので、これを機に当ブログにて公開させて頂きます。

 

スーパーハイクオリティなライブと迫力も臨場感も二千億点な映像と合わせるも良し。

このライブをいち人間が観るとこう感じるのか~と客観視するも良し。

いっそ読まないも良し(笑)

 お好きにご堪能ください!

そして藤川さん!もしこれを見ていたら写真掲出許可ください!(笑)

 

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2015年12月14日、月曜日。

新潟で生きる若者が、数百キロ離れた東京・渋谷のライヴハウスを満員の人で埋めた。

 

彼らには驚くほどの演奏スキルがあるわけじゃないし、強力な人脈があるわけでもない。彼らをここに導いたのは、3人の〈人間力〉ただそれだけだ。曝け過ぎともいえる私情の吐露と、やり過ぎともいえる驚異的なライヴ数。でもそれらは全て彼らにとって最適量だったのだと思い知らされた、渋谷CLUB QUATTROでのワンマンライヴ〈師走の虎〉。

「マイヘア良かったなんて言わせるつもりはありません、最高だったって言わせます」―――その言葉通り文句なしに最高だった本ライヴを、一人のファンとして彼らを追ってきた筆者が、その目で見て感じたまま綴ろうと思う。

 

開演時間の19:00に椎木知仁(G/Vo)、山本大樹(バヤリース)(Ba)、山田淳(やまじゅん)(Dr)の3人がステージに現れると、3人の姿を捉えた観客は拍手で彼らを迎える。そしてドラム前に集合して互いの拳を突き合わせ、「セイッ!」と声を出すと、真っ直ぐ正面を向いた椎木が「新潟県上越市から来ました、My Hair is Bad始めます」と挨拶する。その瞬間、期待が充満した会場は真っ赤な照明に染まり、噛みしめるように歌い始めた“真赤”で幕を開けた。最初は緊張が見えた3人の様子も、“18歳よ”“教室とさよなら”、“マイハッピーウェディング”と飛ばしていくなかで、普段通りの彼らに変わっていった。新調したドラムセットを楽しそうに叩くやまじゅんの気合に満ちたプレイや、動きのあるバヤリースのプレイにも一段と熱が入っていた。

 

彼らの曲には、観客好みのビートを刻んで楽しませようなんて予定調和は一切ない。今、この瞬間の彼らのテンションをありのまま刻んでいく。多少テンポが前のめりになったっていい、彼らのステージではそれが持ち味に変わる。それは「僕らのライヴで後悔させると思いますか?させません」という決意表明と共に歌われた“赤信号で止まること”の曲中、何度も問われた「誰の為に?」という言葉が物語っていた。彼らは自分の為に歌って、鳴らして、立っている。だから嘘をつく必要も、着飾る必要もない。そんなスタイルは、「夢が叶った気分です」と語る渋谷クアトロのステージでも決して変わらなかった。

 

だからこそ、「始まりの音が聴こえるというのは、自分で鳴らしたから聴こえるんだ」と歌い出した、彼らにとっての始まりの歌である“月に群雲”がいつも以上に強く心に入り込んできた。そこから吹っ切ったように“クリサンセマム”“ディアウェンディ”とハイスピードで飛ばしていく3人の姿は、観ているこちらが怯んでしまうほどの気迫に満ちていた。シンバルが割れるのではないかとひやひやするほど激しく叩き散らすやまじゅんの豪快さや身体を捻らせながら全身で音を鳴らすバヤリースのプレイにも拍車がかかり、椎木にいたっては“友達になりたい”でギターを抱えたまま客席にダイブ!さらにそのまま肉声で、「ついにきたぞ、クアトロ!俺らはドカンと売れたわけでも力を使ったわけでもない、じゃあ何をしていたかって言ったら、ライヴをしてました!こんなにライヴする必要もねえし、金もねえけど、信じてて良かった!」と叫んだ。

 

そんな数々の迫真のプレイに耐えかねたのは、ギターの弦だった。「虎が獲物を捕る時どうすんだ、休憩しねぇだろ?」と言いながら、弦が切れたギターのままチューニングだけ合わせてライヴを続行し、“フロムナウオン”へ入る。

 

「ギリギリを、スレスレを、一か八かを、紙一重を。そういう奇跡を、瞬間を信じたいんだ」「俺はここまでやってきたこと、全部○だとは思わない。×もやってきたし、赤信号も渡ってきた。その結果が、あんたが今観てるこのステージだ」「○だけ取っても×だけ取ってもだめだ。なに怯んでんだよ」「選んでみろよ、僕らにある選択肢は、やるかやらないか」

 

そんな書ききれないほどの言葉の濁流に飲まれて、上手く息ができなかった。一瞬でも気を緩ませたら、ぷつんと切れたあのギターの弦のように負けてしまう気がした。だからこそ、歯を食いしばって一音も聞き逃さないように踏ん張った。それくらい演者も観客も互いに真剣だった。

 

そして曲が終わると、椎木は赤いレスポールに持ち替えた。「このギター、渋谷で買ったんですよ。なんか不思議じゃない?」と話し、「このギターで作った曲をやります」と“最近のこと”を披露。

イントロが鳴ると同時に、〈私のこと、忘れないでよ〉というギターの声が聞こえてきた気がした。

そんな思い出のギターの音色に乗せて「どんどん時間が戻っていく、君を思い出してる」と零しながら、“悪い癖”“ドラマみたいだ”“彼氏として”と、新しい曲から昔の曲へと遡っていく。時制の変化ひとつ逃せない、「好き」なのか「好きだった」なのか。映画でもドラマでもない、今この瞬間に変化しているドキュメント。あの頃の曲の「君」は今の曲の「君」ではないかもしれないけれど、その時々に想うひとりの女性のことだけを描いた歌詞が、忘れていた思い出や匂いまで思い出させてくれるようだった。

 

そして、「日記みたいで絶対売れない」と話した新曲と「30歳になっても、40歳になっても歌えるように」という願いを込めた“優しさの行方”、さらにラストに「最後までドキドキして帰って!」と渾身の“アフターアワー”を届けた。〈僕ら最高速でいつだって走れるわけじゃないんだって いつかは止まってしまう日が来る〉なんて歌いながら、「まだまだ上に行ってやる!」と宣言した椎木の言葉に迷いはなかった。

 

そして鳴り止まないアンコールに呼ばれ再度ステージに戻った3人は、月曜日というド平日に集まってくれた観客に感謝を告げ、「いつまでも続きますように、という気持ちを込めて新曲を歌って終わります」と、まだ名もない新曲を披露した。マイヘアらしい、僕と君だけが出てくる恋の歌。最後にそんな曲を選んできた彼ららしさに思わず頬が緩んだ…と思いきや、「人に嫌われたくないなら、人のこと嫌うなよ!」との決まり文句からアッパーチューンの“エゴイスト”を投下!まさに完全燃焼、夢のステージの幕を堂々と閉じた。

 

…だが、そんな彼らに贈られた盛大な拍手は、2度目のアンコールを望む拍手に変わった。とはいえもう出てこないかもなぁ、なんて思っていた矢先にヒーローの如くステージに現れた3人の姿に、観客は大歓声を上げると共に一気に前へ詰めかけた。そして本当のラストとなった“夏が過ぎてく”は、会場全員での「ワンツー!」の掛け声と共に異様なまでの盛り上がりを見せたのだった。

 

My Hair is Badに抱く感情は、「もっと売れてほしい」とか「もっと大きいステージに行ってほしい」という想いよりも、「ずっと彼ららしくいてほしい」という想いの方が強い。今の音楽シーンがどうかなんて関係ない、マイヘアはマイヘアのまま大きくなってほしい。そして私は、この日のライヴを観ることができて、さらにこうして綴れたことを堂々と誇るだろう。いつも通りの彼らをいつも通り追い続けようと思えた、私自身にとっての決意の日になった。

 

媚びずに、奢らずに、正直に。

My Hair is Badよ、一生ドキュメンタリーであれ。

 

 

■セットリスト

  1. 真赤
    02. 18歳よ
    03. 教室とさよなら
    04. マイハッピーウェディング
    05. 赤信号で止まること
    06. 愛ゆえに
    07. まだ、ほどけて 
    08. 新曲(タイトル未定)
    09. 白熱灯、焼ける朝
    10. 月に群雲
    11. クリサンセマム 
    12. ディアウェンディ
    13. 元彼氏として
    14. 友達になりたい
    15. フロムナウオン
    16. 最近のこと
    17. 悪い癖
    18. ドラマみたいだ
    19. 彼氏として
    20. 新曲(タイトル未定)
    21. 優しさの行方
    22. アフターアワー
    <アンコール>
    23. 新曲(タイトル未定)
    24. エゴイスト
    <ダブルアンコール>
    25. 夏が過ぎてく

音楽ライターについて

 

 

 

数ヶ月前からツイッターのDMを開放しております。

 

音楽をやっている方にねえねえそこのお姉さんちょっと文章書いてよという感じに気軽に依頼をしてもらいたくてこの設定にしたのですが、なんと!あなたのことがずっと気になっていましたこれ僕のLINE IDです連絡ください的なメッセージが!一切なく!頻繁に頂くのは、「音楽ライターになりたい!でもなり方が分からない!どうしよう!というかあなたって何してる人なの!?」いう旨の質問です。

 

ここからはわたしの話をします。

興味のない方、止めるなら今です。

 

わたしは普段は普通に会社でカタカタと仕事をしていて、ご依頼を頂いた時に記事を書いているという「半社会人・半ライター」の二足の草鞋で生きています。昼は学生夜は怪盗という「神風怪盗ジャンヌ」を想像して頂けたら分かりやすいかと思いますし、これが分かるりぼんっ子は世代一緒です。

 

経歴としては、大卒で就職しましたが「音楽の文章を書く仕事がしたい!」と思い立って一年で辞職。ツテコネ一切無しの装備0の丸裸状態でダンジョンの入り口に立った訳ですが、当たり前のように仕事なんてなく、あっという間にただのフリーターになりました。(完)

 

元々ライブレポートは書いていて、応募制の音楽ライター講座に通ったり、細々と文章を書いたりしながらもバイトに明け暮れる―――そんな日々を送り、約1年。

なんで私がライターに?というどこかの予備校のキャッチコピー宜しく、ライターの肩書を背負えたきっかけは、某有名音楽会社のライター募集に受かったことです。(現在も募集しているはずですし、そういった募集は色々な媒体が行っています)

そこから「対価を頂いて文章を書く」という、いわゆる「プロ」としてのお仕事をするようになりました。ここが始まりです。3年前くらいだと思います。

 

とはいえわたしは完全契約ドリーマーではなくフリーランスなので、お声を頂ければいつでもどこでもなんでも書きますし、依頼をもらわずに勝手に書いているレポートやディスクレビューもたくさんあります。

恐らく最近わたしを知ってくれた方は、十中八九THE NINTH APOLLO所属バンドを好きな方だと思うのですが、恐らく知るきっかけとなった文章は、わたしがただの一ファンとして勝手気ままにるんるんきゃっきゃと書いたものです。

 

前置きが長くなりましたが、「何をすれば良いのか分からない」という方は、

とりあえず好きな音楽を、好きに書いて、発信すれば良いのではないか。

あとは、運と縁が大事、だと思います。

わお、これだけ書いたくせに至った結論があまりにもざっくり!

 

このご時世、ウェブライター一本で食べていくのは現代版お伽噺話です。才能があればもちろん別ですが。わたしも普通に働いていますし、音楽雑誌や音楽ウェブサイト運営会社の編集部に入るなどしない限りは安定的な収入を得ながら書くことは正直難しいと思います。

 

けれど先述した通り色々と募集案件はありますし、世はSNS全盛期。発信すれば本人に届く可能性だってありますし、自身の表現力で挑戦する機会はたくさんあります。とりあえず、けれども本気で書いて発信してみてはいかがでしょうか。

 

とまぁ偉そうなことなんて何一つ言えないほど未熟なわたしですが、これだけは絶対にブレちゃいけないと思っているのが「書き手のエゴと承認欲求は要らない、良いと思った音楽を拡める為に書く」ということです。

 

けれど音楽を拡めることの一番の策は、拡める自分自身が影響力を持つようになるとこでもあるので難しいところですけれど。

 

その為にももっと良い文章を書けるように日々精進して参ります。共に頑張りましょう。

 

振り返れば全編わたしの話になってしまった。 

ここまで根気良く読んでくださった方、ありがとうございますもうマブダチです。(軽)

 

これからもどうぞ宜しくお願いします〜

 

 

Unblock『明日の産声』について

 

 

大阪寝屋川出身の3ピースバンド・Unblockが『明日の産声』というアルバムを出しました。発売日前日に購入し、馬鹿の一つ覚えの如く聴き狂っています。

 

youtu.be

 

 

「聴くたびに染みてくる」とか「スルメソング」とか、そんな曲は1曲もないです。

一発です。このアルバムは良い、このバンドは良いと、一発で分かります。

 

Unblockの魅力はそのメロディーの良さと彼ら自身が持つ不器用さだと思っているのですが、それをお話する前に”23”という曲をどうぞ。

 

youtu.be

 

この曲のどこが素晴らしいかって、一番最後。

≪いつか語った理想の前で 震える足で立ってる≫

という歌詞。ここです、Unblockといえばここ、もう絶対ここ。

 

人付き合いとか愛想笑いとかそういう類のことが下手な人たちなんだろうなぁと思うし、だからと言って唯我独尊を貫く確固たる意志の強さを持ち合わせている訳でもない。他人や雰囲気に流されるのはかっこ悪い、でも自分が流れを作るなんて実際のところ無理だしヒーローには向いてない。夢を語るのはこっ恥ずかしい。

それでも心のどこかで「自分は何かできる」と信じてる。そうじゃなきゃきっと音楽なんてやってない。

そんなバンドのプライドが、この一節だと思うんです。

 

と、わざわざ旧譜から一曲引っ張り出してきた訳ですが、そこからの今作収録のこれです。

 

youtu.be

 

田口くんの青ヒゲはとりあえず置いておいて。というかそれすら愛おしいわ。

≪本当の事を歌うなら 愛に溢れた世界だから≫

この言葉を歌えるバンドになったんですよ。自分自身を悲観して捻くれていた人が、愛という言葉を紡いだ。もう、本当に嬉しかった。親かよっていう心境でひたすら嬉しかった、ああこれが成長かって思いました。

 

全曲に漏れなく仕組まれている「グッ」とくるフレーズの強さや量もまた格段に上がっていますし、第一印象から好きで好きで仕方がない”回想録”に至ってはド頭からの最良メロサビでビリッビリに痺れましたし、同様に‘‘ハイライト”もそう。”生活のこと”のサビ入りなんて毎回鳥肌立つしなぁ。

さらに今作最大の挑戦というか変化を詰め込んだ”行進曲”。これが本っっ当に素晴らしいし、素敵!!!!Unblockからこの趣旨のバラードが飛び出すなんて正直思っていなかったです。

この曲を筆頭に、「僕と君」を歌った曲では未来が見える曲が多くなっているなぁと思います。『明日の産声』なんて未来を見据えたタイトルをつけているのだから当然といえば当然なのですが、きちんと進もうとしているんだなと思いました。ラストに持ってきた‘'答えは風の中”なんて、その意思表明そのものでしょう。

 

ステージに立つ彼らの足は、もう震えてない。代わりに今まで以上に聴く人の心を震わすバンドになりました。

夢を語ることは恥ずかしい、結果に出なきゃ意味がない―――そう思っている人にこそ聴いてほしい、知ってほしいバンドです。

 

前に、前に。

 

 

asayake no atoについて

 

先日、

 

 

というツイートをしたのですが、当初思っていたよりもずっと多くの反響があって「あ、やっぱり共通認識なんだな」って安心しました。

 

京都出身の4人組バンド「asayake no ato」との出会いは”追想と未来”という曲なのですが、聴いたことのない方はこちらからどうぞ。

 

youtu.be

 

 率直に言って、素晴らしくないですか?

緩急のつけ方がにゾクっとしません?

 

そして、高身長細身塩顔白シャツスキニー黒髪マッシュ雰囲気イケメンバンドマンの量産により飽和状態になりつつある昨今の邦楽エモロックバンド界の異端児(超失礼)。アサヤケにはルックスの良さでファンを惹き付ける必要なんて一切ないんです、だって曲がべらぼうに良いんだもの!!

 

しかもライブが良い、というより演奏が上手いんです。とても丁寧に演奏するバンドなんだなという印象が強くて、胸にガツンとくるというよりかはずぶっと浸かる感覚になります。

 

ステージの上からというよりは同じ視線、一方的に与えるよりは受け手の為に思慮の余白を残しておきたいという謙虚さが感じられる歌い方、奏で方をしてくれます。歌詞も抽象的なものが多くて、本能的に綺麗だと思える情景が脳内スクリーンに浮かんできます。なんというか、全曲が短編映画という感覚。

 

売れてほしい!というと金目の匂いがアレですが、多くの人に届いてほしいバンドです。

 

 

ふと思いましたが、朝焼けの後って何が見えるんですかね?

 

 

 

Ivy to Fraudulent Gameについて

 

 

昨日の海の日は海に出掛けられなかったので、ネットの海をうようよと泳いで過ごしておりましたが、そこで出会ったこのバンドに手も足も耳も心も引きずりこまれて溺死寸前です。

 

 

youtu.be

 

youtu.be

 

第一印象から好きでしたレベルの音楽なのですが、ただ、ただ…どうしてもバンド名が読めない。トゥとゲームしか分からない。これほど読み方に苦戦したのは、「Czecho No Republic」以来です。

調べたところ【アイヴィートゥーフロウジュレントゲーム】と読むそうですが、完璧に覚えるにはあと10回くらい読み方を調べないといけなくなりそうです。チェコも未だに綴りが曖昧で、変なところに「h」とか入れちゃいますごめんなさい。

あと、検索エンジンで「Ivy」を打ち込むと【Ivy to frau】で検索結果がでちゃう辺りが面白かったです。あ、みんな全文は打たないんだなって思いました。

 

それはさておき。

このバンドの音楽を知ってからというもの、狂ったように聴いております。

わたしはthe cabsというバンドがとても好きでして、イントロの一小節を聴いた瞬間から「これは?」と思ったのは確かです。触ったら折れそうなギターの細い線、さらっとしながらもテクニカルな動きを繰り出すドラム、ここぞというズルいタイミングで艶っぽく入るベースのフレーズ、透明感と少し病みを感じるヴォーカル…どんぴしゃかと。

けれどそんな先入観は結局導入に役立つだけ、先っちょ以降までずぶっと入り込めるかはバンドの魅力次第です。

 

わたしがIvyの音楽に魅了されるに至ったきっかけは、「違和感」でした。

HPに歌詞ページがあったのでこちらに。

http://www.ivytofraudulentgame.com/lyrics/

 

あの一瞬みたいな幸せが
また訪れると信じて 僕、頑張るよ。

【東京】

 

曲自体は精巧緻密で繊細、けれど歌詞には耳慣れた言葉が多く使われているんだなということでした。「東京」の曲中で「頑張るよ」の言葉が出てきた時は少し驚いたくらいです。それこそ私の作り出した固定観念だとは思いますが、歌詞を聴き込むまではもっと文学的な歌詞なんだろうなと勝手に思っていました。そこの違和感に、わたしは自分でまんまとはめられた訳なので結果オーライなのですが。

 

MVから入ってしまったので、今はとにかく早くライヴを観たいという気持ちがいっぱいです。ライヴでまた何皮も化けるバンドなんだろうなという期待を胸に早速調べてみたところ、8月12日にO-WESTでワンマンがあるじゃん…って、ワンマン!?ウエストで?そんなにも高い認知度だったのか…知らなかった自分が憎い…。

 

ここまで読んでくださっている方がどれほどいらっしゃるかは分かりませんが、お勧めのバンドがありましたら無知なわたくしめに是非ともご教授頂ければと思います。

 

宜しくどうぞ。