峯岸利恵の音楽手帖

好きな音楽や日常にまつわるあれやこれやそれです

【2022.06.19】LAGITAGIDA×背前逆族×GREEN MILK FROM THE PLANET ORANGE

 

2022.06.19『爆音狂演』

▼LAGITAGIDA

▼背前逆族(ex.うしろ前さかさ族)

▼GREEN MILK FROM THE PLANET ORANGE

 

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今回のイベントは、敬愛するGREEN MILK FROM THE PLANET ORANGE(通称グリンミルク)に出演してほしい!と懇願し、OKを頂いたことがスタートでした。そこからメンバーの皆さんに相談していく中で、ふと「対バンでLAGITAGIDAはどう?Aちゃん、ダブルヘッダーだけど!」という流れに。いやいや、それが実現したら最高ですけど、流石に体力的にもキツいですよね~(チラッ)とお伺いを立てたところ、体脂肪率8%、鋼の肉体を持つ最強狂犬ドラマーAさんからさらりと「いいよ」とのご快諾。夢かと思いました。漢気が過ぎます。その後、LAGITAGIDAの皆さんも「面白いじゃん!」と賛同してくださり、夢の対バンが実現となりました。

さらに、その2バンドと一緒にやって頂くバンドで、このイベントが持つ強烈さに引けを取らず、己の道を突っ走るプログレッシブバンドはいるだろうか?と考えた時に浮かんだのが、パワープログレ/キメラパンクバンド「うしろ前さかさ族」でした。その瞬間にイベントのイメージがバッチリ決まり、もうこれしかない!!と確信。多くの人のご協力のもと、イベント開催に至りました。ちなみに、この3マンが決まった時に、瞬時に「爆音狂演」というイベント名は決まりました。振り返っても、まさにこの4文字の通りのイベントになったと思います。リハから音のデカさが尋常じゃなかったですし、数分聴いただけで耳鳴りがして思わず笑いました。

でも、爆音といえど、ただ単に驚かせるとか迫力を出したいからという訳ではなく、その音量も含めてバンドの音楽表現であることをひしと感じるもの。興奮を掻き立てると共に、全身を預けられる安心感を抱けためちゃくちゃ気持ち良い時間でした。たまらん!

 

▼LAGITAGIDA

イベントのトップバッター・ LAGITAGIDA。先ほどリハでの話をしましたが、その時からダントツの爆音をかましていたのはラギでした。最高。ラギはハイパーテクニカルプレイヤー集団で、演奏がエグいくらい上手い。凄すぎて笑っちゃう。変拍子だけれど安心感があるが故にこちらは身構えることなくノリノリになれるし、キメのやテンポが切り替わるタイミングでフロアから歓声が上がるのですが、ソロの時なんかはもう、心酔しちゃって全員棒立ち状態。さらにラギの何が凄いって、超濃密かつ超絶妙な演奏なのに、自由度のあるライブをするというところ。ポイントポイントでメンバーが顔を見合わせながらコンタクトを取っている時も、笑顔なことが多い(「あ、今やっちゃったっしょ?」的な笑みも含めて)。あのプレイ中に笑える余裕があることに驚きでもありますが、そういう空気感があるからこそ、ドラマティックな展開が際立つし、タイトさと緊迫感だけでオーディエンスを圧倒する演奏にならないのだと思いました。でも絶対にダレないという、天才的バランス。あまりにも格好良過ぎる!!!!今年から約2年振りに活動を再開させたとは思えぬスーパープレイの数々、堪能させて頂きました。

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▼背前逆族(ex.うしろ前さかさ族)

2番手を担ってくれたのは、ツインギターでの5人編成&バンド名表記変更で、心機一転の気合を見せるパワープログレ/キメラパンクバンド・背前逆族。「パワープログレ/キメラパンクって何だ?」と思われるかもしれませんが、ライブを観たら一発でその意味が分かります。むしろ、そうとしか表現できないとすら思う。ボーカルの関口マーフィーさんが歌う歌詞は、ライブではほぼ聴き取れないですが、「このバンド、なんかヤバい」という空気は一瞬で伝播。関口さんの前は、まるで花道かのように人がおらず、その空間をめがけて躊躇なくフロアに降り、転げまわり、観客に近づき「パンクロックとは何ですか?」「劇団四季とは何ですか?」と質問を投げかける。そして、ステージに戻り、爆音の中で見悶えながら絶唱。この通り、彼らのライブは狂気的で奇怪で、おどろおどろしい。けれど、めちゃくちゃグッとくる。人生の中で自然発生する鬱屈混沌とした感情と、その果てに起こる暴発。そこには美しさが間違いなくあるし、あまりの凄まじさに途中笑ってしまったけれど、めちゃくちゃ胸打たれました。そして超絶変拍子の大運動会的楽曲たちなのに、演奏がめちゃくちゃ上手くて流石でした。グリンミルクのKさんが「魔界で生まれたゾンビみたいだった」と評していましたが、誰しもの心にある混濁した想いを音楽表現してくれるバンドです。あなたの中にもきっとそれは潜んでいる……。

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▼GREEN MILK FROM THE PLANET ORANGE

イベントのトリは、GREEN MILK FROM THE PLANET ORANGE!2019年のアメリカツアー振りに演奏したという未音源化楽曲「Tragedy Overground」からスタート。ちなみにこの曲、25分あります。長いと思われるかもしれませんが、そんなことを全く感じさせないほどスーパードラマティックな楽曲です。私自身、この日初めて聴いたのですが、一番好きな曲かもしれない……。じっくりしっとりと聴かせた後に、ドドンパの如く一気に加速!その先でまた落ち着いて、最後はもうドッカンドッカンにブチ上げるという、ジェットコースターロマンス的楽曲。ここでAさんの表情を確認してみましたが、何らいつもと変わらないハイパーパワフルドラミングでバンドを牽引していました。凄すぎてなんかもう怖い……。でもそのストイックさは、バンドにも言えることで、限界の限界まで追い込んで、それでもまだ走り続けるという、極限のその先まで這いつくばりながら追い求めるバンドがGREEN MILK FROM THE PLANET ORANGEだと思っています。まさに昭和の部活、ブレーキの壊れた暴走列車。この表現、しっくりき過ぎる。そんなバンドだからこそ爆発的な熱狂を生むのだと思うし、この日もこちらが抱いていた期待の1000倍増しでトリという大役を務めてくれました。日本のプログレッシブロック界を担う、唯一無二の最高にアツいバンドです!!プログレッシブロック!!!

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そして、ライブ終了直後のAさんの様子はいかに……。

 

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超元気!!!!!!参りました!!!!

 

有難いことに年一でまたやりたい、という話もありましたので、乞うご期待!

LAGITAGIDA、背前逆族、GREEN MILK FROM THE PLANET ORANGEの皆さん、来てくださったお客さん、本当にありがとうございました!!